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1度会っただけの人

大学時代にズッポリ音楽にはまった。ロックバンドのボーカルだった。バンドブームと呼ばれるイカ天全盛期はバブルセレブを気取るDCブランドブームと重なり金髪ロン毛はファッション的には寒い存在だった。今もそこは変わりないけど。
日本人の体型がいくら変わっても金髪ロン毛が似合うのは限られた極々少数だ。
僕のような短足チビに似合うはずも無く自分でもそれは良く分かっていた。はじめはバンドのメンバーから強要されて仕方なくだったがLUNA SEA河村隆一が浮いていて気持ち悪いのを例に出されたら従わざるを得なかった。ま、DCスーツにしてもチビには同じ話で何を着ても結果は変わらないし。金髪ロン毛もやってみたら髪の毛の立たせ方や原宿に奇抜な服を物色しにいくのは楽しかった。当時の彼女が高校生で友達に見られたら恥ずかしいから止めて欲しいと、親父が自衛官で母親に社宅の回りの目があるから止めて欲しいと泣いて頼まれるのが辛かった。いまだに理由は分からないがそこそこに人気がありライブをやればかなりの集客があった。ブッキングのライブに呼ばれACBやロフト、屋根裏で良くやってた。ノルマがあった記憶は無いが店の告知がピア等の雑誌からかバンドとしては告知活動は一切せずただ演奏するだけだった。もちろんバック(出演料)もなかった。そういう仕組みを知らなかったし関心もなかった。ある日D.Jさんという30代位のソロの弾き語りをやってる方と対バンになった。ディラン好きが分かりやすいタイプの弾き語りスタイルで暗いオリジナル曲を淡々と歌ってた。今聴いたら普通に聴けるだろう音楽が当時の僕には暗い音楽と嫌に感じた。楽屋で集客についてD.Jさんは僕らが羨ましいと言っていた。あのバンドブーム時代にソロで音楽活動していた苦労は今は分かるが当時の僕には何を言っているのか全く分からなかったが妙に記憶に残っている。1度会ったきりの彼に今の自分が会えたらと少しだけ想ってみたり。こだわりは強ければ敬遠され疎まれるけど時間が過ぎても時代が変わっても褪せることはない。想いがないというのは存在も無いと同じ。2度と聞きたくないと思った歌はなぜか今も記憶に残っている。また聴きたいとは思わないけど。1度会っただけの会話も少ししただけの人を覚えてるのって凄くないですか?